更新日:2024.04.04
インターンシップの基本
学外実習のススメ
「社会に出るまでに身につけておきたいことは何ですか?」
社会では仕事を進めていくための知識や技術、コミュニケーションはもちろん、様々な場面に対応できることも重要です。必要な道具が足りなかったり、急に意見を求められたりすることがあります。そんなときに活きるのが実務経験や経験談です(授業で学んだことだけでなく、サークルやバイトも含めて)。実際に手を動かして培った感覚や、相手の表情や仕草を読み取る力(コミュニケーション能力)など、経験や体験を通してでないと得られないスキルがあります。むしろ、実務を知らず、机上で学んだことだけで社会に出ることは怖いことです。
九工大では夏期休暇などを利用して企業や官公庁で実務を経験する学外実習(インターンシップ)を勧めています。意外と知られていませんが、これは実習単位としても認められています。実習を通して社会で活きる嗅覚を身につけてください。
基礎知識
「ちゃんと知っておきたいインターンシップの役割と効果」
インターンシップとは、学生が自らの専攻や将来の職業に関連した就業体験を行うことを意味するもので、実社会での仕事を体験できます。
以前は、医師?美容師?教師などが、一人前になる前にプロの下で働く「見習い制度」がその多くでしたが、現在では、行政?大学?企業を中心にインターンシップを取り入れるようになり、在学中に社会に触れることで、自分の進路や目標の設定などに活用されています。また、社会と学生との接点を広げる機会としても注目されています。
インターンシップの3大メリット
● 実際の仕事を体験できる!
「仕事をする」ということがどういうことなのか実際に体験できるので、働くことに対するイメージがわきます。
● 雰囲気を感じることができる!
職場の雰囲気は実際に働いてみないと分からないもの。リアルな「職場の雰囲気」を感じることができます。
● 社会人の話が聞ける!!
普段の生活ではあまり接点がない社会人の方と話ができるチャンスです。日頃の疑問をぶつけてみてはどうでしょう?
インターンシップのスタイル
「知らないと損をする!? 受入先によって異なる実習の特徴」
「インターンシップ」とひとことで言っても、受入先の種類や実習のねらい、時期?期間など、その特徴は多岐に渡ります。その中から工学系に多いインターンシップのスタイルを4つ紹介します。あなたのやりたいことや目的に合ったスタイルを選んで、充実したインターンシップにしましょう。
1 )企業体験型
受入先の一員となって現在進行中の業務を社員と一緒になって経験するもの。現場を見学に回ったり打合せに必要な資料を作成したり、企業の業務内容を一通り経験できることが特徴です。データ収集や文書作成など地味に感じる内容もありますが、地道な作業の積み重ねが裏側にあるということを知ることも重要な経験の一つです。HPや説明会だけではわからない業務内容や社風を身をもって知ることができ、社会人の生活、会社の仕組み、ビジネスマナーなどを知りたい人に適したスタイルです。
2 )仕事実践型(起業人育成型)
技術者や営業など実際の業務に同行するもの。先輩社員に密着して同じスケジュールをこなし、仕事をすることが特徴です。打合せや会議に参加してリアルな社会を目にすることができます。また、ベンチャー企業の社長に同行することで経営者の考え方や志を感じることのできる実習です。自分の目標とする先輩に同行することで、「こんな技術者になりたい!」と具体的な将来のビジョンを描くことができます。起業したい人や興味のある企業?業界がはっきりしている人に適したスタイルです。
3 )プロジェクト型
まちおこしのイベントや、新製品に関する研究など、一つのプロジェクトに参加するもの。他大学の学生や様々な業種の社会人と共同でやることが多いのが特徴です。ディスカッションによりまったく違う感性の人と意見を交換させたり、大勢で一つのものを完成させる達成感が味わえます。プロジェクトは数週間の短期間で終わるものではないため、授業のスケジュールなどと調整しながら週に数日の勤務を数ヶ月行います。多角的な視点を身に付けたい人に適したスタイルです。
4 )スキルアップ型
社会に出て即戦力となる技術力を高めるもの。測量、機械加工などのものづくり技術、CADやシミュレーションなどのソフト運用技術、調査や情報収集などのマーケティング技術など、資格の必要なものから経験的に習得するものまで多くの技術があります。実務経験の豊富な社会人から技術の運用?応用手法を聞き実践的な技術力をつけるのが特徴です。技術の習熟度によっては終了後にアルバイトとして業務に携わることもできます。実践的な技術力を身に付けたい人に適したスタイルです。
インターンシップの流れ
インターンシップは、情報戦だ!
希望すれば必ずインターンシップに行けるとは限りません。就職活動と同じように履歴書や応募シートを送って、受入先で選考が行われます。最近では面接を行って希望者を選考するところも増えています。どの時期に何をしたら良いのか、しっかりと全体の流れを把握して企業を知るチャンスを活かしましょう。
インターンシップ実習のお約束
良いインターンシップ実習にするには、いくつかのお約束があります。
① 実習期間中は日報を書いてもらいます。
② 実習写真を撮影してもらいます。
③ 実習が終わったらお礼状を書いてもらいます。
これらのお約束は、自分の体験の整理と後輩へのデータベースとして活用されたり、社会人としてのマナーを身につける作業となります。
夏期インターンシップ スケジュール(例)
01.ガイダンス
インターンシップ実習についてのガイダンスでは、インターンシップの目的や実習先の選び方についてのレクチャーや、経験者からの報告を行います。また、インターンシップコーディネータが直接指導を行いますので、わからないことや不安なことはこの機会に聞いておきましょう。ガイダンス後も希望する学生には大学からのインターンシップ情報を提供します。
02.応募?選考
インターンシップを実施する企業からきた募集要項は、大学のHPや掲示板、メーリングリストなどで連絡を行います。募集要項を読んで希望する受入先を見つけたら大学担当者に必要文書(受入先によって異なる)を提出して申込み、選考となります。選考方法は受入先によって異なり、書類のみのところもあれば本社で面接を行うところもあります。インターンシップの募集は就職情報サイトでも勧めていますので、参考にしてください。
03.手続き?事前学習
受入が決定したら契約書など必要な書類を提出し、保険に加入して実習の準備を行います。実習前には事前説明会を行い、実習単位や実習レポートに関するガイダンス、社会人としてのビジネスマナー研修を行います。実習先では社会人として勤務しますので、基本的な礼儀作法を身に付けます。また、実習先の情報を調べておくことで実習の充実度に大きな差が出ます。HPや担当者に連絡を取るなど積極的に情報を集めるように心がけましょう。
04.レポート?報告会
インターンシップが終了したらすぐに受入先へお礼状を送りましょう。メールや電話で済ませる人もいますが、丁寧に手紙を書く方が感謝の気持ちが伝わります。大学へは実習に関するレポートを作成して、日報と記録写真、学外実習証明書、アンケートを合わせて提出します。また、次年度インターンシップを受ける学生に向けてインターンシップ報告会を行います。レポートが後輩達の参考資料となりますので、状況がわかるように詳しく書いてください。