2022年4月27日、九州工業大学エコタウン実証研究センターにおいて、Shell Ocean Discovery XPRIZE準優勝記念 水中ロボット実験水槽完成記念式典を開催しました。
2018年に開催された海中ロボット等を用いた超広域高速海底マッピングの実現を目標とする海底探査技術の国際コンペティション「Shell Ocean Discovery XPRIZE」において、国立大学法人九州工業大学、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)、国立大学法人東京大学生産技術研究所、国立研究開発法人海上?港湾?航空技術研究所、三井E&S造船株式会社、日本海洋事業株式会社、株式会社KDDI総合研究所及びヤマハ発動機株式会社からなる日本発の海底探査チーム「Team KUROSHIO」は、「準優勝」に輝き、賞金100万ドルを手にしました。
「Team KUROSHIO」の共同代表であった本学大学院生命体工学研究科 人間知能システム工学専攻 西田祐也 准教授は、この賞金の分配金で約2年をかけて「水中ロボット実験水槽」の建設を計画し、この度完成しました。
実験水槽の大きさは幅5m、長さ10m、深さ3.5m(水深3m)、外壁はコンクリートで構成されており、国内の大学でこの規模のロボットのための実験水槽を保有しているのは数校です。今後、船舶の船底を清掃するロボットや、真っ暗な深海で作業を行うロボットなど多様な水中ロボットの研究?開発促進のために活用する予定です。
当日の完成記念式典では、藤井輝夫 東京大学総長 (※ビデオ参加)、中藤良久 本学理事(※ZOOM参加)、川口勝義 JAMSTEC研究プラットフォーム運用開発部門 部門長、石井和男 本学社会ロボット具現化センター長、浦環 東京大学名誉教授よりご祝辞を賜り、西田准教授より水中ロボット実験水槽の概要説明が行われました。
また式典後は、水中ロボットのデモンストレーション及び記念講演会が行われ、川口 JAMSTEC研究プラットフォーム運用開発部門 部門長よりJAMSTECが取り組んできた地震?津波観測監視システム"DONET"に関して講演していただき、また浦環 東京大学名誉教授からは遠隔操縦型水中ロボットから自律型海中ロボットへと至った経緯や最新の研究について講演があり、今後の水中ロボット研究の発展のために 水槽を活用し良い成果がでるよう一層尽力すること、また関係機関と更に連携を強化していくことが述べられました。
◆日本発の海底探査チーム「Team KUROSHIO」 Shell Ocean Discovery XPRIZE 「Round2実海域競技」(決勝) 結果報告についてはこちら。