地域の課題をデザインの力で解決していく
研究室のご紹介 〡 vol.63 表紙より

戸畑キャンパス
工学研究院建設社会工学研究系
德田 光弘准教授
私たちの研究室は、地域が抱えている課題をデザインのアプローチから解決していくことを得意としています。
人口減少や高齢化が進み、空き家や空きビルが増えていく地方都市。そんな地域に新たな息吹を注ぎ込むように空き家をリノベーションし、地域の人々が活躍できる場づくりを実践的に行なっています。たとえば、古い産婦人科医院の木造建物を集合型店舗にリノベーションした「コバコトバタ(2017年?、福岡県北九州市)」、木造平家の建物を地域の女性たちの活躍できるレンタルスペースにリノベーションした「ここ。(2021年?、福岡県小郡市)」は、私たちが企画から設計、施工、そして運営まで手がけたものです。どちらも学生にとっては教育の現場?地域貢献の現場?研究の現場であり、その持続可能な社会を見据えた取り組み方が、私の研究室の特徴でもあります。
また、長崎県の五島列島では、地元の有志たちとNPOの空き家活用団体(2019年~)を立ち上げ、地域の空き家活用の総合的な支援も行なっています。建築の視点にとどまらず、行政とのやり取り、不動産活用、事業計画、人材育成などを含めた総合的な地域のマネジメントに取り組んだ事例です。今は、成功したプロセスを追いながら、他の地域で活用するための検証も行っています。
他にも、北九州市小倉で2022年に火災被害を受けた旦過市場の、災害復興や再整備事業の支援を行なうなど、地域の困っている課題を一つひとつ解決していく「建築の町医者」のような存在として、研究の場がますます広がっています。


戸畑キャンパス
工学研究院建設社会工学研究系
德田 光弘准教授
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