2022年3月18日?19日、プレミアホテル門司港およびzoom配信のハイブリッド形式において、九州工業大学?ニューロモルフィックAIハードウェア研究センター(通称:Neumorphセンター、センター長:田中啓文教授)、北九州観光コンベンション協会の共催で、第3回ニューロモルフィックAIハードウェア国際シンポジウム(The 3rd International Symposium on Neuromorphic AI Hardware)を開催しました。当シンポジウムは、材料?回路?モデル?ロボット応用などニューロモルフィックAIハードウェアに関する最新の研究成果を発表?議論することを目的としたもので、今回が3度目の開催となります。
当日は、会場および国内外からのオンライン参加を含めると合計226名の参加があり、Neumorphセンターが目指す材料に潜在する知能を引き出し、生物の脳を模倣したAIモデル?回路を設計することで、既存のシステムを超越した脳型AIハードウェアを開発するNeumorphセンターの取り組みが広く注目されていることが窺えます。
シンポジウムでは、ニューロモルフィックAIハードウェアに関する分野で活躍する国内外5名の著名研究者による招待講演、電気通信大学 阪口豊教授によるレクチャートーク、一般投稿論文より選抜された口頭発表、ポスターセッションを行いました。学生の投稿論文のうち査読委員からの特別推薦論文、およびポスターセッションにおける優秀発表にはThe student presentation award(最優秀賞1名、優秀賞5名)が授与されました。受賞者は下記の通りです。
■ 最優秀賞
受 賞 者 |
Oradee Srikimkaew(大学院生命体工学研究科 博士後期課程2年) |
論文題目 |
"Short-Term and Long-Term Plasticity of Pt/Ag-Ag2S Nanoparticles Network/Pt Artificial Synapses" |
■ 優秀賞
受 賞 者 |
田中 大揮(大学院生命体工学研究科 博士前期課程2年) |
論文題目 |
"Simultaneous Meta-modeling of Dynamics and Kinematics based on the Hierarchical Manifold Modeling" |
受 賞 者 |
水谷 彰伸(大学院生命体工学研究科 博士前期課程1年) |
論文題目 |
"Memory-based Action Planning Inspired by Hippocampal Replay" |
受 賞 者 |
琴岡 匠(大学院生命体工学研究科 博士後期課程2年) |
論文題目 |
"Performance comparison of Ag2S and Ag2Se nanowire random network devices as physical reservoirs" |
受 賞 者 |
矢野 優雅(情報工学部4年) |
論文題目 |
"Image Enhancement for Improving the Accuracy of Visual SLAM in Backlit Scenes" |
受 賞 者 |
宍戸 優樺(大学院生命体工学研究科 博士前期課程1年) |
論文題目 |
"A Co-Design Environment for AI Hardware Simulation Using PyLTSpice" |
新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、今回はじめて対面でのポスターセッションを経験したという学生も多く、ポスターセッションを通して同年代の学生や自分の所属と異なる研究者と意見交換ができたことがとても新鮮だったようで、大変有意義な時間になりました。
また、本シンポジウムの特別企画として、本学で長年に渡り、世界に誇るニューロモルフィックAIハードウェアに関する研究、および時代を先取りした大学院教育プログラムの導入など多くに尽力されてきた生命体工学研究科人間知能システム工学専攻 森江隆教授の最終講義も行いました。
当該分野に興味を持つ若手研究者を増やしたいという森江教授の意向により、同教授の最終講義の動画をNeumorphセンターのYouTubeチャンネルにて一般公開しています。是非下記より動画をご覧ください。
- 森江隆教授の最終講義についてはこちら。(YouTube)
- ニューロモルフィックAIハードウェア研究センターのHPはこちら。
会場入口にて、田中センター長(左)と来賓の三原市議(右)
会場の様子
森江教授の最終講義の様子1
森江教授の最終講義の様子2
森江研究室より森江教授へ花束贈呈の様子