平成30年10月27日(土)?28日(日)、カリフォルニア大学サンフランシスコ校で開催された、国際生体分子デザインコンペティションBIOMOD2018 世界大会に、本学情報工学部の学生9名と大学院情報工学府の学生1名からなる学生チームが参加しました。
BIOMODは、DNAなどの生体分子、材料を使って自由な発想で作品を作り、その機能やデザインを競うという大会です。第8回となる今年は世界中から21チームが参加しました。審査は、作品のコンセプト、仕様、有用性?実用性、エビデンス(実験データ)などに関するWiki(50点)、YouTube(25点)、Presentation(25点)に対して行われ、その合計点(100点)が競われます。
九工大チームは細胞内シグナル伝達系をDNAコンピュータで制御するための手法を考案し、「DP Gate Bridge」と名付けた作品を発表しました。審査の結果、Project Awards: Bronze(銅賞)を受賞しました。
指導教員 : 中茎 隆准教授(大学院情報工学研究院 システム創成情報工学研究系)
平 順一助教(大学院情報工学研究院 生命情報工学研究系)
海外派遣プログラムへ参加した学生の感想
■渡辺圭亮(情報工学府博士前期課程 学際情報工学専攻 修士1年)
私は今年のBIOMODにチームリーダーとして参加しました。私が目標としたリーダー像は、メンバーをまとめていくというよりも、常に良い雰囲気でプロジェクトを進める環境をつくることでした。明るく仲の良いメンバー達に恵まれ、その目標は達成出来たと思います。プロジェクトを進める中で何度も壁にぶつかりましたが、その度にテーマを見直し、アイデアを練り直しました。また、Wikiに載せる時やプレゼンではどのように伝えるか、意見を出し合い妥協せずに修正し続けました。BIOMODでの約半年間、メンバー全員で目標に向かって走り続けた日々は決して忘れないと思います。大会中は世界中の学生と触れ合うことができました。いろんな国のプレゼンを見ることができ、とても良い経験ができました。また、本大会では、現実に実装することを目標とした様々なデザインが発表されましたが、今回発表された様な生体分子を用いた機械の実装はまだされたことがないため、実社会に投入するためのELSI研究も必要であると感じました。
■秋田 実(情報工学部 システム創成情報工学科 4年)
BIOMODに参加するとき、私はとても不安でした。なぜなら、この大会では私が勉強した分野とは大きく異なっていたからです。実際その予感は的中し、価値あるアイデアを出すまでに非常に苦労しました。加えて、webページや動画も作成しなければならず、私にとっては初めてのことだらけでした。しかし、プロジェクトを進めていく中で、私は一つの事に気づきました。重要な事は自分の力で解決するのではなく、多くの人に助けを借りること。私はチームメイトとお互いに協力し合いながら、プロジェクトを完成させることが出来ました。私がこの大会が終えた時には、仲間と一つの事を成し遂げるという楽しさを感じました。
■古賀 瑞己(情報工学部 システム創成情報工学科 4年)
平成30年10月25日?30日に学生海外派遣プログラムの支援を頂き、アメリカのサンフランシスコでBIOMOD2018に参加してきました。アメリカでの生活、BIOMODでの海外の学生の姿を通して自分の視野、価値観を広げることができました。最も印象に残っていることは街中や電車内で資金を求める方が多数いたことです。貧富の格差社会を肌で体感し、生活に困っている人の割合を減らしたいと感じました。社会人になってからは、この思いを忘れずに、そのような方々が一人でも減るような日本の社会を作っていきます。
■古川 元揮(情報工学部 システム創成情報工学科 3年)
私は約半年間、BIOMODプロジェクトに参加しました。私がこのプロジェクトに参加しようと決めた理由は、研究を通じて新しい考え方を身につけたいと思ったからです。研究では問題に直面することが多々ありましたが、その度に、研究を一緒に取り組むチームメンバーと解決策を考え、時には先輩方や先生の助言をいただきながら、解決していきました。この経験は、自分自身の成長に繋がったと思います。また、カルフォルニア大学で行われた世界大会では、大勢の観衆に対して英語で発表する機会がありました。ここで発表できたことも、今後の自信に繋がる良い経験になりました。最後に、集中して研究に取り組みアメリカで発表することができたのは、たくさんの人の支えのおかげです。皆さまありがとうございました。
■片渕 凌也(情報工学部 システム創成情報工学科 3年)
大会では、世界各国から訪れている学生と教授方が、何度も推敲と修正を重ねたYOKABIOのプレゼンに目を向ける光景を目の当たりにして、今までには得たことのない緊張と、チームの研究が注目されているという嬉しさを感じました。理解しやすさと面白さを求められた英語でのプレゼンや、研究成果を紹介するWebページの作成は、予想をはるかに超えるほど難しいものでしたが、大会を終えた今、その頑張りは得られた技術?知識?経験に大きく値するものと思います。BIOMODへの参加は、自己成長の良い機会であり、さらに海外での経験を重ね、世界で活躍できる人材になりたいという強い憧れも持たせてくれました。チームで協力し1つのプロジェクトに真剣に取り組んだこの時間は、これからの自分に繋がると信じています。皆さん、ありがとうございました。