更新日:2018.11.01
平成30年10月29日の13時08分に種子島宇宙センターから、工学研究院の奥山圭一研究室で開発した地球低軌道環境観測衛星「てんこう」は、JAXAの「温室効果ガス観測技術衛星2号(GOSAT2)」と一緒にH2Aロケットで打上げられました。
「てんこう」は、打上げ約33分後の13時41分に南極上空623㎞でロケットから分離、地球周回軌道に投入されました。すぐにアルゼンチンの大学が「てんこう」の送信信号を受信し、「てんこう」が無事に稼働を開始したことが確認されました。その後、国内に加え、アメリカ、メキシコ、コロンビア、ウクライナ、インドネシアやアルジェリアなどからも続々と受信が報告され、「てんこう」が正常に動いていることが実証されました。
現在は太陽活動が弱くなっている時期であり、高いエネルギーレベルの宇宙線が銀河から届いています。「てんこう」はこれらが地球電離層に与える影響を調査することをミッションとしており、早ければ打上げ1週間後から観測をスタートする予定です。
「てんこう」は平成26年に打ち上げられたJAXAの小惑星探査機「はやぶさ2」相乗りの深宇宙探査機「しんえん2」のレガシーを受け継いだ機体です。「しんえん2」は超小型機としては世界ではじめて月を超え、深宇宙の探査に成功した機体です。今回の「てんこう」は、「しんえん2」と同様に宇宙で大きな仕事をしてくれるものと期待しています。
◆「てんこう」打ち上げの様子が、NHKでの取材されました。
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