更新日:2018.10.17
九州工業大学 宇宙環境ラボラトリーとシンガポールの南洋理工大学が共同で開発した2UのキューブサットSPATIUM-I衛星は、2018年9月23日、HIIBロケットによって種子島宇宙センターから国際宇宙ステーション(ISS)に打ち上げられた後、10月6日、日本時間16:45に日本実験棟(きぼう)から軌道上に放出されました。その後、10月7日の21:17に九工大局にて衛星からの電波を受信し、衛星が正常に起動したことを確認しました。現在、九工大局では、信号を復調するための設備調整を行なっています。
SPATIUMプロジェクトの目的は、超小型原子時計を備えたキューブサットコンステレーションによる3次元のグローバル電離層マッピングです。SPATIUM-Iは同プロジェクトの最初の衛星で、電離層マッピングに必要な以下の技術の実証を目的としています。
1. チップスケール原子時計(CSAC)の宇宙環境での動作
2. CSACをクロック源としたスペクトラム拡散(SS)変調の467MHzUHF送信機
3. 地上局でのSS信号の受信と復調
4. 衛星に搭載された第2の400MHzUHF送受信機
5. 時間同期された複数の地上局での衛星信号の同時受信
6. 地上局での衛星の搬送波位相(400MHzおよび467MHz)の読み取り
SPATIUM-I衛星の主なミッション?データは、CSACのクロック数、1PPS信号、温度データからなり、通常状態では、467MHzのSS変調UHF電波にて、8分の休止時間をおいた後2分間送信することを繰り返します。