2024年7月17日?21日 、「RoboCup 2024」がオランダ?アイントホーフェンにて開催され、九州工業大学大学院生命体工学研究科および北九州市立大学の学生が結成しているチーム「Hibikino-Musashi@Home」(主指導教員: 大学院生命体工学研究科 田向権教授)が@HomeリーグのDSPLにおいて優勝しました!!世界の強豪チームを相手に、RoboCup 2017年、2018年の世界大会連勝以来の快挙を成し遂げました。
ロボカップは自律移動型ロボットによる競技会であり、@ホームリーグはキッチンやリビングなど日常生活の場で、人間の生活を支援するロボットの開発を目標とするリーグです。ChatGPTに代表される大規模言語モデルの発展により性能が飛躍的に向上し、Hibikino-Musashi@Homeは標準機(トヨタ?HSR)にて出場するリーグへ参戦し、@ホームリーグ最高点となる9,033.95点を獲得し圧勝しました。
本競技会はStage I(全9チームが出場)、Stage II(上位6チームが出場)、Final(上位3チームが出場)の3つのステージから構成されています。Stage Iでは、物体の操作や人とのやり取りなどが含まれる5つのタスクでバランスよく得点を獲得し1位通過しました。次のStage IIでは、人間から与えられた依頼を理解し行動するタスクにて@ホーム最高得点を獲得しました。この結果、Stage I + II の合計点は5314.09となり、昨年の優勝チームのスコア3720.83を大きく上回って決勝戦Finalに進出しました。
上位3チームが競い合ったFinalでは、Stage I、 IIにて必要とされるロボットの各種基本機能(物体認識、人物追従など)に加えて、大規模言語モデルを用いた命令理解と行動計画、レザバーによる超軽量な手振り認識、海馬を模倣した脳型モデルにより獲得するエピソード記憶など、当チーム最先端の研究成果を組合せ、RoboCup@Homeリーグ究極の目標である汎用ロボット(General Purpose Service Robots)の実現を目指した研究開発に関するデモンストレーションを披露しました。
これらの結果により、Open Platform League、Domestic Standard Platform League、Social Standard Platform Leagueの3リーグから構成される@ホームリーグ全32チーム中、最高得点を獲得しました。さらに、自律走行機能が評価されるSmoothest, Safest Navigation Award、命令を理解して行動を計画する機能が評価されるGSPR Overbot (Best in GPSR & EGPSR)、ヒューマンロボットインタラクションを含むタスク最高点 Robo-host (Party-Host highest score in Stage I tasks)、マニピュレーションを含むタスク最高点Robo-butler (Housekeeper highest score in Stage II tasks) のアワードを受賞しました!
Hibikino-Musashi@Homeは「人間と共存可能な家庭用サービスロボットの実現」を目標にロボットの開発に取り組んでいる学生プロジェクトのチームです。ロボットはコンピュータサイエンス、人工知能、ロボット工学をはじめとする工学分野の成果の集大成です。本大会に出場したロボットには、Hibikino-Musashi@Homeの研究開発の成果はもちろん、チームに所属している大学院生命体工学研究科の多様なバックグラウンドを持つメンバーの研究成果が実装されているほか、ニューロモルフィックAIハードウェア研究センターの分野横断の研究開発がロボット応用の出口へと結びつき、日々、その性能を進歩させています。
【世界大会】World Robot Summit | 結果 |
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World Robot Summit 2020(2021.9開催) | 優勝 |
World Robot Summit 2018(プレ大会) | 優勝 |
【世界大会】RoboCup | 結果 |
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RoboCup 2024 | 優勝 |
RoboCup 2023 | 準優勝 |
RoboCup 2022 | 3位入賞 |
RoboCup 2021 ※オンライン | 準優勝 |
RoboCup 2020 ※中止 | - |
RoboCup 2019 | 3位入賞 |
RoboCup 2018 | 優勝 |
RoboCup 2017 | 優勝 |
【世界大会】RoboCup Asia-Pacific | 結果 |
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RoboCup Asia-Pacific 2021 | 優勝 (実機2冠、シミュレーション) |
RoboCup Asia-Pacific 2019 | 準優勝 |
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Hibikino-Musashi@Homeは、学生プロジェクトや、カーロボAI連携大学院より支援を受けております。九工大では、同窓会である明専会や企業と連携し、学生グループによる創造的なプロジェクトに対し、その活動を強力にサポートしています。また、この成果の一部は、国立研究開発法人新エネルギー?産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務(JPNP16007)の結果得られたものです。
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