衛星『FUTABA(ふたば)』、無事宇宙空間へ放出
-- FUTABAからの発信電波も受信し、ミッションの完遂を目指す! --
この度、国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)が提供する超小型衛星の放出機会の1つとして、本学の学生プロジェクトチーム*「九工大衛星開発プロジェクト」が開発したウィスカ検証衛星『FUTABA(ふたば)』が2022年8月12日18時45分に国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」から無事放出されました。
■ スペースLABOでのパブリックビューイング
FUTABAの放出の瞬間はJAXAのYouTubeで公開され、北九州市科学館「スペースLABO」3階スペースラウンジにて行われたパブリックビューイングでは、衛星開発プロジェクトの関係者以外にも、親子連れなどの一般の方々も多く参加され、放出の成功を祈りながらその瞬間を見守りました。当日は、パブリックビューイング以外にも小学生向けの人工衛星に関するミニ講座が開催され、人工衛星が社会のどんな役に立つのか、また日本の人工衛星の歴史などを簡単に紹介しました。会場にはFUTABAの模型と放出される際に他の2つの衛星とともに入るケースが展示され、来場者は説明を聞きながら放出のイメージを膨らませました。その他にもFUTABAの概要や、FUTABAの後継機で革新的技術実証3号機に採用された「MITSUBA(みつば)」の紹介も行いました。質疑応答では小学生等から衛星や開発に関する様々な質問が寄せられ大変にぎわいました。
■ 『FUTABA』の放出と運用
このFUTABAは2022年7月15日にスペースX社のファルコン9ロケットで打ち上げられ、ISSに運ばれた後、宇宙飛行士の手によって衛星放出機構に設置され放出を迎えました。放出装置にはモルドバ工科大学の「TUMnanoSAT」と事業者衛星の「HSUSAT1」と混載され、連なるように放出されました。放出がなされた後、翌日の朝7時にFUTABAから発信された電波を九工大で受信し、FUTABAが正常に機能していることを確認しました。これからFUTABAは地球を約90分で周回しながら、運用が終わる予定である来年の8月まで鉛フリーはんだのウィスカ検証実験や磁気トルカを用いた3軸姿勢制御の2つのミッションを遂行していきます。資金集めのクラウドファンディングやコロナ禍といった困難を乗り切ったFUTABAはこの2つのミッションの完遂を目指して挑戦を続けていきます。そしてこの運用が終了した後は大気圏に突入し燃え尽きます。
*【学生プロジェクト】
企業や社会において先導的リーダーシップを発揮することのできる創造的人材の育成を目的に、学生グループによる自主的な課外活動に対し、大学による審査により最大200万円の活動資金を付与。競技大会への参加やボランティア活動など多様な取り組みを支援。
【お問い合わせ先】
九州工業大学広報課(用正)
TEL:093-884-3008
E-mail:pr-kouhou*jimu.kyutech.ac.jp
【衛星FUTABAに関するお問い合わせ】
九州工業大学大学院工学府博士前期課程2年(大星)
TEL:093-884-3260
E-mail:oboshi.akihiro495*mail.kyutech.jp
(メールは*を@に変えてお送りください)