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国家戦略特区制度を活用した高速PLCの屋外利用に関する規制改革が実現

更新日:2021.12.24

国立大学法人九州工業大学、北九州市及び市内ロボット開発企業は、令和2年2月の国家戦略特別区域会議において、広帯域電力線搬送通信設備(以下「高速PLC」という。)の屋外利用に関する規制改革を共同提案していましたが、今般、実験許可の簡素化に関する規制改革が実現しました。

1 現状の課題と規制改革の内容

北九州市内企業がロボット等を活用して、社会課題である老朽化インフラの効率的な点検手法の開発?実証に取り組んでいますが、電力供給や無線通信障害等の観点から、有線ロボットも多く活躍しています。操縦者のコントローラーとロボット間は、電力供給のための「電力線」、データ通信のための「通信線」が二重配線され、その過重が、ロボットの小型化や調査範囲拡大の妨げとなっていることから、電力供給とデータ通信の両方を「電力線」で行う技術「高速PLC※」の活用ニーズが高まっています。

しかしながら、現状、屋外の移動式発電機の電力線では高速PLCを自由に使うことができず、電波法の実験許可を取得する必要があります。許可申請時に「他の通信設備への混信、障害を与えない技術的根拠」の明示が必要であるため、申請前に事前の予備実験が必要となる等、非常に時間がかかり、迅速な実証実験の実施が困難となっていました。

国立大学法人九州工業大学、北九州市及び市内ロボット開発企業は、令和2年2月の国家戦略特別区域会議において、この実験許可制度の簡素化に関する規制改革提案を行い、大学での電磁波測定結果等に基づき、国と協議を重ねた結果、今般、「屋外の移動式発電機と接続した電力線に高速PLCを活用する配管又は水中検査ロボットの実験許可申請については、予備実験を不要とする」規制改革が全国で実現し、迅速な実験許可の取得が可能となりました。

※参考:高速PLC(Power Line Communication)
?電力線に高周波帯域(2M~30MHz)の通信信号を乗せ、高速通信が可能。
?副次的な電磁波の発生が懸念されるため、電波法の規制を受けており、使用方法?場所が制限されている。



2 今後の展開


本規制改革を活用し、高速PLCを活用した点検ロボットの開発?実証の加速化を図ります。また、令和3年4月に北九州市が国に応募した「北九州市?東田 Super City for SDGs構想」において、次なる展開として、「電磁波発生リスクが低い平衡度の高い電力線通信 (ロボットと操縦コントローラー間の1対1通信等)を行う場合、実験許可なく高速PLCを利用可能とする規制改革」を提案しており、産学官が連携して、高速PLCに関する科学的知見の充実、規制改革に向けた国との協議に、引き続き取り組んでいきます。

お問い合わせ先

九州工業大学IoTシステム基盤研究センター
TEL:093-884-3562
担当 米澤、福本

北九州市企画調整局地方創生推進室
TEL:093-582-2904
担当 渡辺、佐藤



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