九工大発の光触媒が新型コロナ不活化に効果
-最先端の光触媒で安全安心な社会へ-
九州工業大学大学院工学研究院の横野照尚教授が開発した光触媒が、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の不活化にも高い効果を発揮することが新型コロナウイルス不活化試験によって実証されました。
この光触媒は、光触媒性能を飛躍的に向上させ、更には屋内で使われる蛍光灯やLED ライトなどの可視光(紫外線を含まない光)でも高い効果を発揮することができる世界初の技術によって実現されたもので、既に公共施設や公共交通機関など様々な場所で利用されています。今回の試験結果を受け、新型コロナウイルス感染症対策として、より幅広い場面での貢献が期待されます。
ポイント
- 横野教授が研究開発した光触媒が、新型コロナウイルスの不活化にも効果を発揮することが外部の検査機関により実証された。(不活化率99.95%)
- 横野教授が研究開発した光触媒は、ナノレベルで化学反応場を分離して光触媒性能を向上させたこと、更には弱い室内光(40ルクス程度)でも高い効果を発揮することに特徴がある。
- 横野教授が研究開発した光触媒を利用した塗料製品は既に至る所でフィールド試験が実施されており、高い光触媒性能はその効果の持続性も含めて実証されている。
横野教授が開発した光触媒は、既に黄色ブドウ球菌、インフルエンザウイルスなど他の細菌やウイルスへの有効性は確認されていましたが、今回、外部の検査機関である「北京京畿分析测试中心有限公司(中国北京市)」に依頼し、新型コロナウイルスに対する不活化試験を行った結果、99.95%の不活化率を示し、新型コロナウイルスにも高い有効性を持つことが確認されました。
この光触媒は、既に塗料として実用化され多方面で利用されているところですが、昨年10 月より開始したJR 九州ステーションホテル小倉(福岡県北九州市)における実証実験では、光触媒塗料を塗布した客室などにおける付着菌数が36 日経過後で95.5%減少、101 日経過後も95.7%減少(いずれも測定箇所における平均値)となるなど高い抗菌性能を長期間にわたり維持していることが確認されており、新型コロナウイルスへの効果の解明も期待されているところでした。
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