超小型衛星「CURTIS」を国際宇宙ステーション
から放出し、宇宙空間で技術実証を開始します
パナソニック ホールディングス㈱ × 九州工業大学
国立大学法人九州工業大学(以下、九工大)は、かねてよりパナソニック ホールディングス株式会社と共同で、10cmx10cmx30cmサイズの超小型衛星CURTIS (Compact Utility Research Technology Integration Satellite)を開発してきました。この度、国際宇宙ステーションから軌道上に放出し、技術実証実験を開始いたします。
CURTISでは主として、以下の3点の技術実証を行います。
- パナソニックグループで取り扱う車載や5G通信用途向けの部品は、特に宇宙向けを意識した設計はしていませんが、それらの部品が特別な改良を加えることなく、宇宙空間で使えるかどうかを調べます。
- 携帯電話?スマートフォンで培った高密度回路設計技術?実装技術を用いて小型化を図った衛星バスが宇宙空間で使えるかどうかを調べます。また、放熱性に優れたグラファイト材料技術などにより構成されたサーマルマネジメントユニットを用いた回路形成技術の実証を行います。
- 今後予見される超小型衛星の大量生産時代の到来を見据え、組み立てが容易で量産性に優れた衛星設計そのものの実証を行います。
CURTISは地上用エレクトロニクス機器で培ってきたパナソニックグループの電子機器実装技術と、学術機関としては6年連続世界1位の超小型衛星の打ち上げ実績を誇る九工大の超小型衛星開発力を持ち寄った衛星で、九工大としては28機目の人工衛星となります。衛星開発には、パナソニックグループの技術者と九工大の教員?スタッフ?学生が参加しました。衛星は2024年4月11日に国際宇宙ステーションから無事放出されました。その後約1年間の運用により軌道上での技術実証が行われる予定です。
これまでの開発成果や軌道上実証実験を通じて得られた技術データを活用し、迅速な宇宙実証やサービスを可能とする超小型衛星バスとして今後の両者の宇宙活動に活かすとともに、より多くのミッションを行うことが可能な6U(10cmx20cmx30cm)や12U(20cmx20cmx30cm)の超小型衛星(キューブサット)への展開を進めていく予定です。
※本成果の一部は、経済産業省 産業技術実用化開発事業費補助金(令和2年度~令和4年度)、情報処理?サービス?製造産業振興研究開発等事業費補助金(令和5年度)の補助事業を活用した研究開発において得られたものです。
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