高効率モーターで
エネルギー問題を解決!
「肉食系」モーターの開発
あらゆる場所で利用されている「モーター」。世界中の電力消費の半分がモーターで消費されているとも言われており、その高効率化は社会が抱えるエネルギー問題に大きなインパクトを与えます。高効率化の重要な要素の1つであるモーターの「鉄心」を改良することで、パワフルな、いわば「肉食系」のモーターの実現を目指しています。
研究内容
モーターは、一般的に磁石やコイル、鉄心などで構成されています。この鉄心の中の鉄原子の並び方を、鉄心に巻かれた銅線(コイル)が作り出す磁場の方向と揃えることによって、30%程度効率が良くなり、5%程度パワフルなモーターになると考えられています。そこで、鉄心の原料となる鉄粉中の鉄原子を上手に並べる方法を研究しています。
また、モーターに電気を供給するためにインバーターとかリアクトルと呼ばれる装置が使われるのですが、この中にも鉄心が入っています。現在、これら装置が大型であることから実現出来ていない技術もたくさんあるため、小型化を目指した、微細な鉄粉末を用いた鉄心の開発にも取り組んでいます。
課題
私の研究室では鉄心の原料となる鉄粉を研究しているのですが、鉄粉を圧縮成形して鉄心にし、コイルを巻いて、ケースに入れて、モーターを組み立て、最終的にその効率評価を測定するには様々な分野の専門家の協力が必要です。この鉄心からモーターの効率評価まで一気通貫に実施できる体制の確立が課題の一つです。
この研究で、
暮らしはどうなる?
電気自動車の航続距離が伸びます。また、電動旅客機が実現するかもしれません。
今後の展望
モーターの鉄心の高性能化の手法は他にもたくさんありますが、鉄粉中の原子を上手に並べる技術は、それらの手法と合わせて応用することが可能です。原子がきれいに並ぶメカニズムを解明して、他の高性能化手法と組み合わせて、より高性能な鉄心の実現に結び付けたいと考えています。
研究の魅力
この研究は、省エネを通じて世界に貢献できる可能性を秘めている点も魅力ですが、究極的には鉄、酸素、炭素原子だけで成立する非常にシンプルで奥深い研究である点も気に入っています。たくさんの種類の元素が相互に影響しあう研究と比較して、現象を理解しやすいのです。
「最高の趣味」。
一人で何かを発見して楽しい、それをみんなで共有して楽しい、
さらに実用化されれば社会に貢献できて楽しい!
私にとって研究は最高の趣味だと思ってます。
必須アイテム
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■ ノートカバースケジュール帳を左に、研究ノートを右に挟んで使ってます。10年近く使ってます。
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■ 実験マニュアルこれで研究室メンバーの実験が標準化されているので、結果も安定して出てきます。
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■ コット昼食後に少し寝ると午後の頭の回転がとてもよくなります。
1日のスケジュール
起床 朝の支度など。 |
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出勤 子供を保育園に。 |
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居室で一休み | ||
業務 論文を書いたり、読んだり、あまり体を動かさない仕事をやります。 |
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業務 実験したり、研究室メンバーと打ち合わせをしたり、体を動かす仕事をやります。 |
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メールに返信 | ||
帰宅 |
ライフスタイル
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■ 休日の過ごし方バイクやキャンプなどアウトドア。最近は育児が多いですね。
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■ 子供の頃の夢強くて優しい父親の跡を継いで大工さん。材木に真っ直ぐに穴を開けるのがヘタで諦めました。
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■ キャンパス周辺のオススメマルハチ珈琲焙煎舎の浅煎りコーヒーがオススメ!
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■ 座右の銘「やろうと思えば何でもできる」
絶対やるんだ!という情熱(パッション)さえあれば、大概のことはできると信じています。 -
■ 性格プライベートでも職場でも友達を作ることが得意です。そうやってできた仲間とわいわいやりながら新しいアイデアを見つけるのが好きです。
学生の頃に
「しておいてよかった」
「しておけばよかった」
もし大学教員
ではなかったら
九工大のおすすめポイント
中高生へのメッセージ
この研究に
興味がわいたら…
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